
東洋水産が展開する「マルちゃん」ブランドから、2023年5月29日に発売された新カップラーメンブランド「沼る」シリーズ。発売時には「マルちゃん 沼るニンニク 熊本風とんこつラーメン」と「マルちゃん 沼るニボシ 青森風煮干し醤油ラーメン」の2商品がラインアップされました。
「沼る」という言葉は、現在では「熱中する」「夢中になる」「ハマる」といった意味で広く使われるようになりましたが、発売当時はまだ馴染みのない人も少なくなかった印象です。商品名だけを見ると「沼るって何なんだろう?」と思った人も多かったのではないでしょうか。
東洋水産の公式サイトでは、「一点の特徴を立たせたハマるおいしさのご当地縦型カップ麺」と紹介されています。果たして本当に“沼る”ほど魅力的な味わいなのか。実際に2商品を購入して食べ比べてみました。
沼るニンニク 熊本風とんこつラーメン

まず紹介するのは「マルちゃん 沼るニンニク 熊本風とんこつラーメン」です。購入価格は118円でした。
商品説明によると、
ポークの旨みをベースに、にんにくを利かせた豚骨味スープ。黒マー油を使用した特製油付き。
とのこと。

熊本ラーメンらしく黒マー油を使用しているのが特徴です。

特製の黒マー油はフタの上に添付されていました。
スープにはポークエキス、豚脂、香味油脂、食塩、砂糖、粉末野菜などが使用されています。

栄養成分は1食(71g)当たり340kcal。
- エネルギー:340kcal
- 炭水化物:37.1g
- 食塩相当量:3.7g
- 麺・かやく:1.1g
- スープ:2.6g

麺量は55gとやや少なめで、ボリューム重視の人には少し物足りなく感じるかもしれません。

調理時間は熱湯3分。ねぎとフライドガーリックのかやくはあらかじめ麺と一緒に入っています。

完成すると、黒マー油由来のガーリックの香りが一気に立ち上がります。

実際に食べてみると、ガーリックと黒マー油の存在感が非常に強く、豚骨のコクはやや控えめながらも熊本ラーメンらしい雰囲気はしっかり表現されています。価格帯を考えればスープの完成度はなかなか高く、にんにく好きには刺さりそうな味わいです。

ただし、気になったのは麺。
麺自体にどこかチキンラーメンを思わせるような風味があり、この味わいが豚骨スープとあまり噛み合っていません。熊本ラーメン風のスープに対して麺だけが別方向を向いている印象で、やや浮いた存在になっています。
ガーリックの強さによって違和感はある程度隠れていますが、麺とスープの相性という点では惜しさを感じました。

具材のねぎは比較的しっかり入っていて、スープとの相性も良好。フライドガーリックも香りのアクセントとして機能していました。
沼るニボシ 青森風煮干し醤油ラーメン

続いて紹介するのは「マルちゃん 沼るニボシ 青森風煮干し醤油ラーメン」です。
公式サイトでは、
醤油・チキンの旨みをベースに、煮干しを利かせたスープ。煮干しの風味付けをした特製油付き。
と紹介されています。

醤油とチキンの旨みに煮干しを重ねた、いわゆる魚介系ダブルスープを意識した構成といえそうです。

こちらもフタの上に煮干し風味の特製油が添付されています。

スープには植物油、香味油脂、チキンエキス、粉末煮干し、食塩、醤油などが使用されています。

栄養成分は1食(69g)当たり319kcal。
- エネルギー:319kcal
- 炭水化物:36.1g
- 食塩相当量:4.4g
- 麺・かやく:1.4g
- スープ:3.0g
こちらも麺量は55gです。

かやくには味付挽肉、メンマ、ねぎが入っています。調理時間は同じく3分。

完成すると煮干しの香りがしっかり漂い、第一印象はかなり良好です。

実際にスープを飲んでみると、煮干しの風味がよく効いていてなかなかおいしいです。チキンの旨みも後ろから支えており、全体のバランスも悪くありません。
濃厚な煮干し専門店のような苦みや重厚なコクまではありませんが、縦型カップ麺としては十分に煮干しらしさを感じられる仕上がりです。

しかし、こちらも問題は麺でした。
「沼るニンニク 熊本風とんこつラーメン」と同じ麺が採用されているようで、やはりチキンラーメンを思わせる独特の風味があります。
この麺が煮干しスープと驚くほど合いません。
せっかくの煮干しの旨みを麺の風味が邪魔してしまい、食べ進めるうちに味の方向性がわからなくなってきます。煮干し系スープと麺がぶつかり合ってしまい、スープの良さを十分に活かし切れていない印象でした。
とんこつと煮干しという方向性の異なる2種類のスープに同じ麺を採用した理由が少し不思議に感じます。

一方で、具材の味付挽肉やメンマは価格帯を考えれば十分満足できる内容でした。
総評:スープは良いが麺との相性が惜しい
東洋水産の新ブランド「沼る」シリーズを実際に食べてみましたが、スープの完成度は想像以上でした。
「ニンニク熊本風とんこつラーメン」は黒マー油とガーリックの香りが特徴的で、「ニボシ青森風煮干し醤油ラーメン」は煮干しの風味をしっかり楽しめます。価格を考慮すると、どちらもスープ作りにはかなり力が入っている印象です。
ただし、両商品とも麺がスープと噛み合っていない点が非常に気になりました。
スープの方向性が異なるにもかかわらず同じ麺を使用しているため、それぞれの魅力を十分に引き出せていないように感じます。ここまでスープとの相性に違和感を覚えたカップ麺は珍しく、もう少しスープごとに麺を調整していれば評価は大きく変わったかもしれません。
スープの出来が良かっただけに、なおさら麺の惜しさが目立つ結果となりました。
ごちそうさまでした。
