
カレーライスが日本の家庭に広く浸透したルーツは、意外にも日本軍にあると言われています。日本人がカレーという料理に出会ったのは幕末の頃ですが、その後、いち早くカレーを取り入れたのは軍隊でした。
明治初期の軍隊では、戦闘による負傷だけでなく病気による死亡者も多く、栄養状態の改善が大きな課題となっていました。そこで病気予防の一環として食事内容の見直しが行われ、栄養価の高い洋食メニューとしてカレーやシチューが積極的に採用されるようになったのです。
そんな明治時代の海軍で食べられていたカレーを再現しようという取り組みから誕生したのが「よこすか海軍カレー」です。現在では横須賀の名物グルメとしても知られており、多くの観光客に親しまれています。
その復活した「よこすか海軍カレー」を提供する店として有名な 魚藍亭 が監修したカップ焼きそばが「よこすか海軍カレー焼そば」です。製造は エースコック が担当しています。
2023年5月15日に発売された商品ですが、私の近所ではあまり見かける機会がなく、スーパーやドラッグストアでもなかなか遭遇しません。今回はたまたま販売している店舗を見つけることができたので、興味本位で購入してみることにしました。

パッケージには、「海軍割烹術参考書」をもとに復活させたよこすか海軍カレーの味わいを活かしつつ、焼きそば向けにアレンジしたレシピを採用していることが記載されています。歴史あるカレーをどのように焼きそばへ落とし込んでいるのか、食べる前から少し期待が高まります。

たれには植物油脂、豚脂、食塩、カレー粉、香味調味料、砂糖、ポーク調味料などが使用されています。原材料を見る限りでは、比較的オーソドックスなカレー風味のソースに仕上げられている印象です。

栄養成分表示を見ると、1食(68g)当たり316kcal。炭水化物は43.5gで、食塩相当量は2.8gとなっています。
カップ焼きそばとしては比較的コンパクトなサイズで、カロリーや食塩量もやや控えめな印象を受けます。

カップの中には、かやく、麺ほぐし香味油、そして仕上げシーズニングが入っています。
内容物自体はシンプルですが、香味油とシーズニングによってどのような風味になるのか気になるところです。

必要なお湯の量の目安は420ml。湯戻し時間は3分です。
一般的なカップ焼きそばと同じような手順で調理できるため、特に難しい点はありません。

3分経過後に湯切りを行い、まず麺ほぐし香味油を加えます。香味油を全体になじませながら麺をしっかりとほぐし、その後に仕上げシーズニングを投入してよく混ぜれば完成です。
調理中からほんのりとカレーの香りが立ち上り、食欲を刺激してくれます。

完成したのがこちら。
率直な感想としては、まず量の少なさが気になりました。カップのサイズ自体がコンパクトなこともあり、出来上がりを見ると「もう少し入っていても良いのでは」と感じます。個人的には倍くらいあっても嬉しいところです。

実際に食べてみると、辛さはそれほど強くなく、どこか懐かしさを感じる優しい味わいのカレー焼きそばに仕上がっています。
味の方向性としては、よこすか海軍カレーパンに近い印象があります。また、昔ながらの元祖ボンカレーを思わせるような親しみやすい風味も感じられました。
食塩相当量が比較的少ないためか、味付けはやや薄めです。ただし、カレー粉や香辛料の香りがしっかり効いているため、薄味であることが大きな不満にはなりません。むしろ優しい味わいとしてまとまっています。
しかし問題はやはり量です。食べ始めるとあっという間になくなってしまい、満足感という点では少々物足りなさを感じました。

具材にはポテト、味付きそぼろ、たまねぎ、にんじんが使用されています。
ただし、実際に食べてみると存在感があるのは主にポテトとにんじんで、味付きそぼろやたまねぎはあまり目立ちません。具材の種類自体は悪くないだけに、それぞれの量がもう少し増えていれば満足度も高くなったのではないかと思います。
総評としては、味そのものは優しいカレー風味で悪くありません。懐かしさを感じる味わいで、よこすか海軍カレーらしい雰囲気も楽しめます。
一方で、全体的に量がかなり少なく、食べ応えという点では大きな不満が残りました。もう少し麺量や具材量があれば印象も大きく変わったと思います。
味は好印象だっただけに、なおさらボリューム不足が惜しく感じられる商品でした。
ごちそうさまでした。
