
1966年の発売以来、常に新しい味への挑戦を続けているカップヌードル。定番商品はもちろん、期間限定フレーバーや各国の食文化を取り入れた商品も数多く登場し、そのたびに話題を集めています。
近年は韓国グルメ人気の定着もあり、「ロゼクリームヌードル」や「牛骨コムタン」、「石焼ビビンバ風 甘辛コチュジャン味」など、韓国テイストを前面に打ち出した商品が続々と登場。カップヌードルシリーズの中でもひとつのジャンルとして存在感を示しています。
そんな韓国系フレーバーの中で注目を集めたのが、2023年6月12日に発売された「カップヌードル 海鮮コチュジャンチゲ味」です。

新しい韓国系フレーバーと聞くと個性的な味わいを想像しますが、本商品はどちらかといえば王道寄り。どこか見覚えのある商品だと感じて調べてみると、過去に発売されていた「カップヌードル 海鮮キムチゲ ビッグ」を思い出しました。海鮮キムチゲは、キムチ由来の酸味と魚介のうまみが印象的な一杯で、辛さレベル2ながら予想以上の刺激を感じた記憶があります。
一方、今回の海鮮コチュジャンチゲ味は辛さレベル3。数値だけを見るとこちらの方が辛そうですが、実際の味わいはどうなのでしょうか。
公式では「韓国料理の“コチュジャンチゲ”をカップヌードル流にアレンジ。コチュジャンのコクをベースに、海鮮のうまみをきかせた濃厚で甘辛いスープが特長」と紹介されています。韓国料理らしい甘辛さと魚介のうまみの組み合わせは、カップ麺との相性も良さそうです。

スープには糖類、豚脂、粉末みそ、小麦粉、香辛料、でん粉、粉末しょうゆ、大豆粉末、コチュジャン、いか粉末、豆板醤などが使用されています。

1食(80g)あたり385kcal、炭水化物は46.9g、食塩相当量は4.2g(めん・かやく2.0g、スープ2.2g)。カップヌードルシリーズとしては標準的な数値ですが、スープまで飲み干すと塩分量はそれなりに高めです。

湯戻し時間は3分。フタを開けると、粉末スープとかやくがあらかじめ麺の上にセットされています。特別な後入れ調味料はなく、お湯を注ぐだけで完成する手軽さはカップヌードルならでは。

待つこと3分。フタを開けると、食欲をそそるチゲスープの香りが立ち上ります。ただし、キムチ系商品のような強い酸味はあまり感じられません。

まずはスープから。ひと口飲むと、コチュジャン由来の甘みとコクが広がりますが、意外にも前面に出てくるのは豆板醤のピリッとした辛味。原材料を見るとコチュジャンの存在感が大きそうなのですが、実際には豆板醤の風味が印象を引き締めています。

その後を追うように、いかを中心とした海鮮系のだしのうまみが感じられ、辛さだけで終わらない奥行きのある味わいに仕上がっています。辛さレベル3という表記から身構えていましたが、実際には想像よりもマイルド。コチュジャンの甘みが辛さを包み込んでいるためか、刺激はほどよいレベルです。むしろ筆者の印象では、以前の海鮮キムチゲの方が辛く感じました。
また、キムチ系にありがちな酸味はほとんどなく、同じ韓国系フレーバーでも方向性は大きく異なります。酸味よりもコクと甘辛さを重視した一杯といえるでしょう。

麺はカップヌードル シーフードヌードルを連想させるタイプですが、やや細めでスマートな印象です。ちぢれは比較的控えめながら、スープとの絡みは良好。甘辛いスープをしっかり持ち上げてくれるため、一体感のある食べ心地を楽しめます。クセの強い麺ではありませんが、スープとの相性を考えると非常によくまとまっており、個人的には好印象でした。

具材にはキャベツ、魚肉練り製品、味付卵、にらが入っています。実際に食べてみると、最も存在感があるのは魚肉練り製品。見た目にも目立ち、海鮮系スープとの相性も良好です。
一方で、キャベツやにらはやや控えめ。特にキャベツは配合量の割に印象が薄く、食感面でのアクセントとしてもう少し存在感が欲しいところです。卵についても悪くはありませんが、スープとの一体感という意味ではやや平凡。個人的には卵を減らしてでも、にらを増量してくれた方が韓国チゲらしさがより引き立ったように思います。
全体としては、海鮮のうまみとコチュジャンの甘辛さをバランスよくまとめた完成度の高い一杯でした。突出した個性や強烈なインパクトはないものの、誰でも食べやすく、韓国風の甘辛スープを気軽に楽しめる仕上がりです。刺激の強い辛さや酸味を求める人には少し物足りないかもしれませんが、その分だけ万人受けする味ともいえるでしょう。
「おいしいけれど尖りすぎていない」、そんな優等生タイプのカップヌードル。韓国系フレーバーが好きな人はもちろん、辛いものがそれほど得意ではない人にも試しやすい一杯でした。
ごちそうさまでした。

